
猫の毛がいつもより多く抜けます。何か病気なのでしょうか。
目 次
不調を抱えた猫のしぐさや症状について

換毛期以外の大量の脱毛
通常は、春から夏にかけての換毛期に伴い毛が抜けていきます。これは、暑さに対応できるように毛が抜けていくということです。
ところが、換毛とは違う抜け方をすることがあります。
例えば、少しずつ抜けていくのではなく大量に抜け、一部分が禿げた状態になってしまう事もあります。
他には、一部分だけではなく左右対称に抜ける脱毛もあります。
これらの部分的な抜け毛に加えて、肌が赤くなってしまいかゆみを伴うものもあるでしょう。
考えられる猫の不調の原因は?
原因はさまざま
寄生虫、カビなど
ノミやダニなどが原因でかゆみがあり、かきむしって毛が抜けることはよくあります。特に、外に出入りしている猫や保護したばかりの猫などは、ノミがいる可能性が高いです。
疥癬症(かいせんしょう)についてはネコショウセンコウヒゼンダニという毛穴の中にひそむダニが原因です。顕微鏡を使った皮膚検査で見つかります。
皮膚糸状菌症は真菌が原因になります。この病気の検査は、病変部の一部分を採取し特殊な培地で培養して調べるので、診断がつくまで時間がかかります。そこで、皮膚糸状菌症が疑われるときは、同時に治療も開始しながら様子を見ることもあります。
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アレルギー性皮膚炎
猫にもアレルギー性皮膚炎があります。食事が原因の皮膚炎や、シャンプーや首輪など普段使っているものが合わないという接触性の皮膚炎、ノミに対するノミアレルギー性皮膚炎などです。また、アトピー性の皮膚炎もあります。
原因を追究したくても、猫ちゃんのアレルギーを特定する検査は現在ありませんので疑われるものを除去しノミ駆除を行い、食事を変更するなど消去法に頼るところが大きくなります。
ウイルスや免疫の疾患
好酸球性肉芽腫症候群に関してはアレルギーの関与もありますが、ウィルスや免疫疾患が問題の場合もあります。この場合は、皮膚の病理組織検査や臨床症状などから判断します。
ホルモンバランス
副腎皮質機能亢進症は副腎皮質ホルモンが余分に分泌されてしまう事で起こると言われています。この場合は血液検査でホルモン測定を行い、ホルモン値を見て診断します。
その他
他には、ビタミンBやビタミンAが不足する事で発生する脱毛や、ストレスを原因とする脱毛があります。
上記のような検査をして異常が見つからなかった場合、これらの可能性があるかもしれません。
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猫のためにあなたができること

日頃からスキンシップをよく行う
これらの症状は、普段からブラッシングする習慣をつけておくと異常に気がつきやすいです。 早く異常を見つけてあげるためにも、日頃慣らしておくようにすると、いざという時にスムーズに治療が出来ます。
獣医さんに猫の症状を伝えるポイント

- いつ頃から毛が抜けたか
- 脱毛の場所
- 左右対称で抜けているか
- かゆみ、肌の異常などはないか
- 外出する猫かどうか
- 最近、生活上で変化があったか
- 脱毛箇所の形(円形かそうでないか)
その他、気になることがあったら合わせて伝えましょう。
考えられる病名
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 尾腺炎(スタッドテイル)
- 疥癬症(ヒゼンダニ症)
- 皮膚糸状菌症
- 毛包虫症
- アレルギー性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 日光過敏症
- クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
- 肉芽腫(好酸球性肉芽腫症候群)
- ビタミンB2・B6欠乏症
- ビタミンA欠乏症
- ストレスによる脱毛症(心因性脱毛症)
- 脂漏症
- マラセチア性皮膚炎
- 座瘡

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