
部屋に血の跡がありました。猫からの出血かもしれません。何か病気でしょうか。
目 次
不調を抱えた猫のしぐさや症状について

出血を見て初めて異変に気付く
飼い主が出血に気づくのは、大抵、部屋の床や家具などに血がついていたという場合や、猫のケージ内やベッド、トイレなどで見つける場合が多いです。
見た目では変化を感じない場合もありますが、観察するとよたついている時もあったり、元気がないという事もあります。
考えられる猫の不調の原因は?

出血箇所を特定する
猫の出血の原因として、まず怪我や傷が考えられます。外傷が無い場合は、体の内部からの出血が疑われます。口か鼻、子宮、肛門からの出血を考えましょう。
鼻の炎症
鼻からの出血があった場合は副鼻腔炎が考えられます。膿を伴って出血している事もあります。
陰部・泌尿器
陰部からの出血だった場合、子宮蓄膿症や猫下部尿路疾患などが考えられます。
泌尿器の異常は、細菌性膀胱炎、結石性膀胱炎、突発性膀胱炎などが原因で血尿をおこしてしまう事があります。
子宮蓄膿症に関しては、レントゲン検査や超音波検査で調べます。
猫下部尿路疾患に関しては、お腹を触ったり超音波検査で膀胱の状態を確認してから尿検査を行って診断します。
循環器系・消化器系
心臓や肺に問題があった場合に喀血(かっけつ ※鮮血を吐く)をしてしまう事もあります。
喀血の場合は泡を吹いてしまう事もありますが、猫の場合、この喀血を飲んでしまう事も多いため、飼い主が留守だった場合は気がつきにくいかもしれません。
吐血の場合、胃潰瘍や胃腸炎で粘膜が傷ついた時には吐いたものの中に血が混ざる事があります。この場合、血は消化液によって茶色っぽい状態で吐しゃ物に混ざっています。
また、大腸の粘膜が傷つくと便に血がついていたり肛門から出血していることもあります。
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猫のためにあなたができること

時間を置かず、すぐに病院へ連れて行く
猫の体内の血液量は思ったよりも少ないです。
3kgの猫であれば200mlぐらい、4kgぐらいの猫であれば250mlぐらいと考えましょう。
人間にとっては少量の出血に見えても、猫からすると問題のある出血量かもしれません。
猫は体調が結構悪くても我慢する動物です。「見るからにおかしいな」と感じた時は、かなり具合が悪い場合が多いです。出血があった時には、念のために獣医に診せるようにしましょう。
また、喀血(鮮血を吐く)があった場合は急を要する事が多いので、一刻も早く連れて行くようにしましょう。
猫の生態の知識をつけておく
犬は生理があるので猫にも生理があるのでは?と思うかもしれませんが、猫は交尾した時に排卵する動物ですので、出血がわかるぐらいの状況はまず無いと考えて下さい。
陰部からの明らかな出血がある時には、異常を疑って病院へ連れて行くようにしましょう。
獣医さんに猫の症状を伝えるポイント

- 元気が無いなど、普段の様子の変化
- 食欲が無いなど、食事の変化
- 歩き方がおかしかったなど、行動の変化
- トイレの時にいつもと様子が違うなどの変化
- 口からの出血だった場合は血の色(赤か茶色、ピンクなど)
- 鼻からの出血はくしゃみや咳、呼吸が苦しそうな事がないか
その他、気になることがあったら合わせて伝えましょう。
考えられる病名
- ケガ(外傷)
- 副鼻腔炎
- 鼻腔近辺の腫瘍
- 胃腸炎
- 胃潰瘍
- リンパ腫
- 腺癌
- 子宮蓄膿症
- 下部尿路疾患
- 膀胱炎
- 尿路結石
- 肺炎
- 肺腫瘍
- 肺水腫
- 心筋症
- 熱中症
- 子宮ガン(子宮の腫瘍)
- 子宮内膜炎

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