犬の喉の腫瘍(甲状腺腫瘍)とは

犬の喉の腫瘍(甲状腺腫瘍)とは

不調を抱えた犬の症状・原因について

悪性腫瘍率9割の大変危険な病気

甲状腺とは喉の下にある内分泌腺です。主に体の代謝を促進するためのホルモンを分泌します。
甲状腺腫瘍にはこのホルモンを過剰に分泌してしまう腫瘍と、ホルモンを分泌しない腫瘍があります。甲状腺でしこりが見つかった場合は、ほとんどが悪性の甲状腺がんです。
症状は、首に大きなしこりができることによって咳が出たり、呼吸が苦しくなったり、ご飯が食べにくくなったり、声がかすれたりします。

甲状腺がんのうち60%くらいは甲状腺の機能は正常でホルモンの数値にも異常はありませんが、30%では甲状腺ホルモンが減少し、残りの10%は甲状腺ホルモンが高くなります。ホルモン分泌の量によって異なった症状がみられます。
甲状腺腫瘍の発生は主に9から11歳の高齢犬で見られます。
雄と雌での差はありません。
好発犬種はボクサー、ゴールデンレトリバー、ビーグルなどです。

原因は、はっきりとは分かっていませんが、甲状腺機能低下症や、放射線、突然変異などが関連していると考えられます。
肺やリンパ節、肝臓などに転移することが多く、甲状腺がんが見つかった時にはもうすでに転移がみられることもあります。

治療法に関しては甲状腺がんの大きさ、周囲の組織との固着性(くっついてしまっているか)の有無、転移の有無などにより異なります。転移や固着がなければ手術での摘出、手術だけでは取り切れない場合には放射線療法、すでに転移をしてしまっている場合などでは抗がん剤などの治療法があります。
また、ホルモン剤が必要になる場合もあります。

犬のためにあなたができること

可能な限りの総合検査を受診する

対策としては、なるべく総合的な検査を受けて、より正確な診断結果につなげる事と、定期的に動物病院を受診して甲状腺の状態を確認しておく事が必要となります。
検査方法は状況により多岐に渡ります。MRI、X腺検査、血液検査、尿検査、CT検査、エコー検査などの検査がメインとなります。それぞれの検査で、腫瘍または癌が疑われる患部を詳しく調べていきます。
癌の場合は転移の可能性も十分にありうるので、出来るだけ詳しく検査をしていく必要があります。獣医さんとよく相談して検査を行っていくと良いでしょう。
治療法は、投薬療法・化学療法・外科的手術の3つが主となります。投薬の場合は、経口抗甲状腺薬という薬を投与し、状態の進行具合で投与量を徐々に増やしていきます。
投薬治療では、根治ではなく症状の改善や緩和をゴールとします。
化学療法の場合、外科手術で除去しきれなかった腫瘍に、以下のような抗がん剤を使って治療していく形になります。1番目のドキソルビシンが多く使用されます。
  • ドキソルビシン
  • シクロフォスファミド
  • ビンクリスチン
  • ドキソルビシン
  • シスプラチン
なお、ドキソルビシンとシスプラチンは、甲状腺がんや腫瘍には有効なものの、使用すると嘔吐や吐き気をもよおし、脱毛症状なども現れます。
他に腫瘍に効果のある治療法としては、放射線治療があります。しかし、放射線治療を国内で行なっている動物病院は少なく、受ける際は海外の病院に搬送する必要があります。
外科手術の場合は、甲状腺腫瘍と甲状腺がんを手術で除去する事になりますが、これらを手術で完全に取り除く事は難しく、科学療法や投薬の併用がメインとなります。

犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 呼吸困難
  • 声のトーンに変化が現れる

かかりやすい犬の種類

  • ボクサー
  • ビーグル
  • ゴールデンレトリバー
この他にも、比較的中高齢の犬(10歳以上)にみられ、性別による差は特にありません。

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監修医 秋吉 亮人 先生

秋吉 亮人 先生

アキヨシアニマルクリニック

院長:秋吉 亮人

住所:神奈川県 大和市 中央林間西5-4-26
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