犬の精巣腫瘍について
不調を抱えた犬の症状・原因について
オス犬の生殖器に発症する腫瘍
雄犬で去勢していない場合、2番目に多い腫瘍です。主に10歳以上の老犬に多く見られますが、精巣が正常な位置である陰嚢まで降りてきていない停留精巣では通常の3~14倍も多く発生すると言われています。
精巣腫瘍は、3種類に分けられ、間質細胞腫、セルトリ細胞腫、セミノーマに分けられます。
発生頻度はほとんど変わりません。
【主な原因】
原因ははっきりとは分かっていませんが、停留精巣であることや、年齢や品種、環境中の発がん性物質などが要因の1つと言われています。
【主な症状】
症状としては精巣の腫大がみられることや、停留精巣の場合はお腹の中や鼠径部で腫瘍が見つかることがあります。また、腫瘍随伴症候群といって、腫瘍に伴っていろいろな症状が見られます。左右対称性の脱毛や色素の沈着、乳房が大きくなる、乳汁がでるなどの雌性化、重度の貧血などがあります。転移することはまれです。
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犬のためにあなたができること
精巣腫瘍を治療する3つの治療法
治療法としては、基本的には手術で摘出しますが、重度の貧血がある場合には予後が悪いとされていますので注意が必要です。
予防するためには、繁殖を希望しない場合には若いうちに去勢手術を行うことが大切です。
特に、停留精巣と診断された場合は正常な場合と比べて癌になる確率が高いので、獣医さんと相談して去勢手術を行いましょう。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- オスの女性(メス)化
- 胸が張り大きくなる
- 脇腹部位の脱毛症状
- 太ももの付け根部分に色素沈着
かかりやすい犬の種類
- ボクサー
- ジャーマン・シェパード
- アフガンハウンド
- ワイマラナー
- シェットランドシープ
上記の犬種が精巣腫瘍を発症しやすく、取り分けミニチュア系やトイ系の犬種に多く見られる腫瘍です。
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