犬のレッグ・カルベ・ペルテス病について
目 次
不調を抱えた犬の症状・原因について
骨の壊死による歩行障害と痛みを伴う病気
犬のレッグ・カルベ・ペルテス病とは、大腿骨頭に運ばれるべき血流がうまく流れていかないために、骨が壊死してしまう状態を指します。大腿骨頭とは、股から膝の間を構成する長骨のことです。
進行性の病気であるために、徐々に状態は悪化していきますので、放置や自己判断による処置は危険です。異変に気付いたらすぐに病院を受診し、早期発見、治療を行いましょう。
症状としては、主に歩き方に異変が現れます。後ろ足をひきずるような歩き方をするので、すぐに気付くと思います。触ろうとすると抵抗し、嫌がります。また、これらの症状と並行して、後ろ足の筋肉の萎縮も伴います。主に片足だけに発症しますが、12~17%は両足に発症します。
原因は、冒頭でも述べたように、大腿骨頭への血流の不足により発症する病気なのですが、なぜ血流が不足するのかは、未だ特定されていません。特定されない理由としては、複合的な要素が重なり起こっているのが原因であると考えられています。
先天性による遺伝的なものと考えられています。
犬のためにあなたができること
普段から歩行状態をよく観察しておきましょう
検査方法は、X線検査がメインとなります。
治療法についてですが、症状が軽度の段階であれば、安静と薬物治療で回復していく場合もあります。多くの場合は、外科的な手術が必要となりますが、術後も長期的なリハビリが必要となるので、家族のサポートが重要な鍵を握ります。リハビリといっても、成犬の場合は術後定期的な散歩を心がけていれば、自然と歩行障害は緩和されていき、歩行も走行も可能になります。
外科手術の場合、大腿骨頭と大腿骨頚部の切除が行われています。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- 歩行障害
- 触ろうとすると抵抗し、嫌がる
- 後ろ足の筋肉の萎縮
- 主に片足だけに発症(12~17%は両足)
などがレッグ・カルベ・ペルテス病の代表的な特徴として考えられています。
かかりやすい犬の種類
一般的に10kg以下の小型犬に多く見られる病気です。性別による差はなく、主に生後4ヶ月~1年未満に発症するケースがほとんどです。中でも最も多く見られるのが7ヶ月前後とされています。
- マンチェスターテリア
- ミニチュアピンシャー
- トイプードル
- レイクランドテリア
- ウェストハイランドホワイトテリア
- ケアーンテリア
などが好発犬種とされています。
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