犬の椎間板ヘルニアについて
不調を抱えた犬の症状・原因について
人間にも広く認知されている病気
椎間板は、脊柱の椎骨と椎骨の間にある線維軟骨組織のことです。脊椎の前後からの衝撃を緩和するクッションの役割をしており、外層の固い線維輪と、中央にあるやわらかい髄核から構成されています。これらの組織が本来あるべき位置からずれてしまうことで様々な症状が現れます。
症状としては、頸部・腰部に激しい痛みを伴います。頸部の痛みはじんじんとくる疼痛(とうつう)と呼ばれる痛みで、神経麻痺が起こるために、体を動かさなくなり、無理に動かそうとすると激しく抵抗(嫌がる)します。
他には、排便や排尿といった排泄障害も発症します。神経麻痺が理由で、後ろ足をひきずるような歩行障害も起きます。状態が進行すると、立ち上がることもできなくなるほど苦しく、足がすべて麻痺し、半身不随が起きます。胸部やよく知られている腰部のヘルニアは、腰から背中にかけて痛みが続きます。
原因は、椎間板への過剰な負担です。そのきっかけは、激しい運動や、食習慣の乱れによる肥満、加齢による椎間板の変性などが挙げられます。
椎間板は、骨と骨のクッションの役割を担っているために、この部位が傷つくと、神経が圧迫され、激しい痛みや上記のような症状を伴います。脊髄が圧迫されるのもそのためです。
犬のためにあなたができること
投薬やリハビリによる治療
対策としては、運動を極力させないように努めることです。運動不足になるからといって、無理に動かそうとすると神経を傷つけてしまい、症状は悪化します。
検査は神経学的検査・レントゲン検査・脊髄造影検査・CT 検査・MRI検査など多岐にわたります。獣医の指示に従い、適切な検査を行ないましょう。
治療は、軽度(初期段階)であれば、4~6週間の絶対安静と消炎鎮痛剤による保存療法が適用されますが、改善しない場合や、状態が進行している場合は、なるべく早く外科手術による治療を行いその後、リハビリにより神経の機能回復を行い治療していきます。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!!
- 頸部や腰部に激しい痛みを伴う
- 神経麻痺が起こる
- 運動失調(運動させようとすると激しく嫌がる)
- 排泄障害(排尿・排便)
- 後ろ足をひきずる
- 自力で立ち上がる事もできなくなる(重篤状態)
かかりやすい犬の種類
軟骨異栄養犬種
- ミニチュア・ダックス
- ペキニーズ
- トイ・プードル
- シーズー
- ウェルシュコーギー
- コッカースパニエル
大型犬
- ジャーマン・シェパード
- バセット・ハウンド
- ラブラドール・レトリバー
- ドーベルマン
などの主に軟骨異栄養症性犬種とグルーピングされる犬種は、若年性(2歳から7歳)の場合でも発症する可能性があります。他には加齢と共に発症する場合も多いです。
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