
猫の水頭症(水痘症)について
不調を抱えた猫の症状・原因について

頭頂部が丸くふくらむ
猫の水頭症は、脳の周辺にある脳脊髄液の流れに問題が生じ、脳が圧迫されることで障害が起きてしまう状態です。
子猫の時に確認できることが多く、犬に比べると猫の発症は少ないと言われています。
症状としては、頭の上の部分がボールのような球体のラインになってきます。
元気もなく、寝てばかりの状態が多く、食欲にも異常が出てきます。猫によって状態が違いますが、あまり食べないかその逆の食べ過ぎるかのどちらかの傾向がみられます。
また、視力が落ちていることもあります。歩く時に物にぶつかる、部屋の端ばかりを歩くような場合、見えていない確率が高いです。
神経症状も現れることがあり、痙攣などの発作が起きる、性格が攻撃的になってしまうといった症状も見られます。
原因として多いのが生まれつきの先天性です。
先天性でない場合は伝染性腹膜炎への感染、脳腫瘍や脳内出血といった脳の疾患、もしくは事故などによる頭部のケガが原因になります。他には脳脊髄液の流れが滞ったり、脳脊髄液の量が増えることが原因で水頭症になってしまいます。
<関連記事>
・【獣医師執筆】猫にネギ類は絶対NG。中毒をひきおこす量や症状、対処法を詳しく解説
猫のためにあなたができること
最初は気がつかないことも
子猫を保護した時点では水頭症だと気がつかないということがあります。
おとなしく寝てばかりで、手足が震えたり、歩く時もふらつくといった安定感がない程度しか症状がないため、数ヶ月してから歩き方の不安定さに気がついたり、くるくると一定の円を描いて回るようになったり、頭の辺りが出てきたことなどの症状でようやく異変に気がつくということがあります。
動物病院に連れて行く前に、なんとなく気になったことでも構わないので、いつ頃からどのようなことが気になったかを整理して説明できるようにしておくと、診察時の参考になります。
診察に関しては見た目である程度水頭症と推測はできますが、CTやMRIなどを使って脳の状態を確認することにより正確に診断することができます。
他には超音波検査などによって診断できることもあります。
ただし、完治は出来ないことが多いので、対処的に治療を行うことになります。
脳圧を落ち着かせる目的で副腎皮質ホルモン薬や降圧利尿薬などを投与していく方法もあります。
もちろん、治療によって、長い年数を一緒に過ごすことも可能です。
もし、てんかん発作などが起きるようになった場合、状況に合わせて対応します。
発作の回数が少ない場合は経過観察をし、回数が多い場合は状況によって抗てんかん薬を処方することもあります。
MRIなどで脳の詳しい状態を確認できた場合には、外科手術なども可能になってきます。主治医から詳しい説明を受けて検討してみるのも良いでしょう。
にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 回転する(一定の円を描いて回る)
- 急に攻撃的になった
- 頭が丸い
- 目が見えていない
かかりやすい猫の種類

- シャム
また、以下の状況の猫もかかりやすいです。

- 頭部の怪我をした
- 伝染性腹膜炎に感染している
- 頭部の疾患を抱えている

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