
猫汎白血球減少症(パルボウィルス感染症)
目 次
不調を抱えた猫の症状・原因について

猫汎白血球減少症を子猫が発病すると死亡率が高い
猫汎白血球減少症は、猫伝染性腸炎、猫パルボウイルス感染症などとも呼ばれており、いずれも伝染性の胃腸炎になる病気です。
病名にもあるように、白血球が少なくなり体の免疫力が落ちてしまいます。よって他の感染症にも複合的に感染してしまうことがあり、場合によっては死に至ることもあります。
症状としては、元気や食欲がなくなります。静かな場所でうずくまるようにして動かない状況になり、40度以上の熱が出て、下痢や嘔吐がひどくなります。悪化していくと血便も出るようになります。
特に子猫は、発症すると死亡率がとても高い病気です。
猫汎白血球減少症の原因はパルボウイルスの感染です。
基本的に、ワクチンを接種している猫の場合は感染する心配は少ないです。注意したいのはワクチンを打っていない猫です。ワクチン接種をしていない猫がパルボウイルスに感染している猫と接したり、感染した猫の排泄物に接触した場合、感染のリスクが高くなります。
3種から7種の混合ワクチンにはすべて猫汎白血球減少症のワクチンが含まれていますので、ワクチン接種をしていれば発症の心配はほぼありません。しかし、逆に考えると、ワクチン接種が必要なほど恐ろしい感染症だということがわかります。
完全室内飼いだからということでワクチンを打っていない猫もいますが、パルボウイルスは生命力が強く、長くて2年ほど生存出来ます。また、感染力も強く、外を出歩いた飼い主の服や靴を経由して室内の猫に感染してしまうということもあります。そのため室内飼いの猫でもワクチンは打つようにしましょう。
猫のためにあなたができること

猫汎白血球減少症の疑いが出たら速やかに隔離を
猫汎白血球減少症は感染力が強いので、猫が激しい下痢や嘔吐をするようになったらすぐに病院に連れて行くようにしましょう。
動物病院に連れて行く前は、室内で自由にさせるより、キャリーケースやケージなど一箇所に場所を決めて隔離状態にした方が良いでしょう。さらに、念のために動物病院へ電話で症状を伝えておいたほうが良いかもしれません。
特に、他の猫を飼育していて、なおかつワクチン接種をしていない場合は注意が必要です。 また、発症する3日ぐらい前からウイルスを体外に排出している傾向があります。そのため、それまでに使っていたトイレなどはウイルスがついている可能性がありますので、塩素消毒をするようにしましょう。
検査は主に便の検査と血液検査を行います。便からウイルス抗原を検出することで診断できます。また、血液検査をすることによって白血球の数値が極端に少なくなっているのもわかります。
猫汎白血球減少症自体は治療法がありませんので、感染が確認された場合、点滴やインターフェロン、抗生物質などを使って症状を抑える対症療法を行います。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 激しい下痢
- 激しい嘔吐
- 高熱がある
かかりやすい猫の種類
- 定期的なワクチン接種を受けていない猫
- まだワクチン接種を受けていない子猫

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