うちの猫が急に歩けなくなってしまいました。原因は何が考えられますか。

うちの猫が急に歩けなくなってしまいました。原因は何が考えられますか。

2022/9/16
獣医師
【監修医】守田 健太郎
獣医師

不調を抱えた猫のしぐさや症状について

不調を抱えた猫のしぐさや症状について

症状が急に出て歩けなくなることが多いです

これまで特に問題なくいつもと同じように動いて生活していた愛猫が、突然歩けない状態になることがあります。
歩けなくなる症状は、下記のような症状があり、原因も様々です。

  • 前足もしくは後ろ足をかばうように歩く
  • 後ろ足を引きずるように移動する
  • 痙攣して通常通りの歩き方が困難になる
  • ふらつきを伴い、真っ直ぐ歩く事が出来ない
  • 急に歩けなくなり座り込んでしまう
  • また、歩行が困難になるだけでなく、呼吸が荒い
  • トイレ以外の場所で粗相をしてしまう
  • 身体の気になる場所をしきりになめる

といった症状を伴う場合もあります。

考えられる猫の不調の原因は?

考えられる猫の不調の原因は?

原因は怪我、疾患が関係しています

足をかばうように歩いている場合、足の骨折や脱臼、靭帯の損傷に捻挫といった怪我や、趾間や肉球の皮膚炎や外傷を起こしている可能性があります。

交通事故、高い所からの落下で無理な力がかかり怪我をする事があります。例えば、足を引きずって歩いている場合、椎間板ヘルニアや形質細胞性足皮膚炎、レッグパーセス病といった疾患が原因になっているケースが考えられます。

また、痙攣、ふらつきが伴う場合は、命に関わる疾患が原因となっていることも多いです。

猫エイズや猫白血病、猫伝染性腹膜炎といったウイルス感染が原因で貧血症を起こしたり、他の疾患が悪化して歩けなくなったり、肥大型心筋症や心臓肥大などの心臓疾患、慢性腎不全や糖尿病、中毒症状といった怖い疾患がたくさんあります。

また、足の痛みでなく、ふらふらと歩いて通常の歩行が出来ないという場合は脊髄に問題があったり、脳腫瘍や脳炎、水頭症などの脳の圧迫病変が存在していることがあります。

これらは一例になります。愛猫が歩けない場合は重大な疾患のサインである場合が多いので、早めに動物病院へ連れて行ってあげましょう。

   

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猫のためにあなたができること

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可能であれば歩けない状態の動画撮影を

まず、歩けなくなった原因を知ることが大切です。疾患や怪我だった場合、治療が必要になってきますので、動物病院で診てもらうようにしましょう。
病院に連れて行った時には症状が一時的におさまって、獣医にうまく説明できない可能性があります。
もし可能であれば、うまく歩けていない時の状況を動画で撮影しておくと良いでしょう。

早く治療をした方が良い場合もありますので、病院に連れて行く前に一時的に症状が落ち着いたからと様子を見ようとはせず、早めに動物病院で原因を調べてもらいましょう。

獣医さんに猫の症状を伝えるポイント

  • 何時ごろ
  • どのような状況(足をかばう、引きずる、ふらつくなど)
  • どのぐらい続いているか
  • 症状の動画

考えられる病名

  • 骨折、脱臼などの怪我・外傷
  • 趾間、肉球部の外傷や皮膚炎
  • 貧血(貧血の原因として以下)
  • 慢性腎不全
  • 猫白血病
  • 猫エイズ
  • 猫伝染性腹膜炎
  • ヘモバルトネラやバベシア感染
  • 自己免疫性溶血性貧血 など
  • 熱中症
  • 椎間板ヘルニア
  • 形質細胞性足皮膚炎(これは皮膚炎に含めていいのでは?)
  • 中毒
  • 肥大型心筋症などを含む心臓疾患
  • 糖尿病
  • 低血糖(飢餓、膵臓腫瘍、肝疾患、消化器疾患など)
  • 脊髄に問題がある(脊髄疾患 椎間板ヘルニアや脊髄腫瘍など)
  • 脳の疾患(脳腫瘍、脳炎、水頭症など)
  • レッグパーセス病(レッグペルテスは猫では稀なので記載しないでもいいかな…)
  • 高アンモニア血症(肝疾患、腎疾患、門脈体循環シャントなど)
獣医師
【監修医】守田 健太郎

津田沼動物病院/千葉県 習志野市 谷津2-3-8

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