猫の急性膵炎・慢性膵炎(膵臓炎)とは

猫の急性膵炎・慢性膵炎(膵臓炎)とは

2022/9/15
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部
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不調を抱えた猫の症状・原因について

不調を抱えた猫の症状・原因について

膵臓が消化され、さまざまな症状を引き起こす病気

猫の膵炎は、膵臓が障害を起こして膵臓の酵素が漏れ出すことで膵臓本体を消化してしまう状態と考えられています。

   

猫の膵炎の症状は、元気が無くなって食欲が低下するなど、犬と比べて典型的でないことが多いです。つまり、下痢や嘔吐、腹部痛などの典型的な症状とそれによる脱水症状を起こすこともあるものの、明らかでない場合もあります。腹痛を伴うのでお腹を抱えて丸くなることが増え、抱き抱えられるのを嫌がります。

   

特に慢性膵炎では上記の症状が現れたり治まったりを繰り返し、診断が難しいことが多いことが知られています。糖尿病や胆管炎などの併発にも注意が必要です。特に、食事量の低下からの全身状態の悪化や別コラムにて解説している肝リピドーシス(脂肪肝)の併発は致命的なこともあるので、早期からの治療が重要になります。

   

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以前と比べ、猫が水をよく飲みます。体調面で何か変化があるのでしょうか。

猫のためにあなたができること

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膵炎の症状は、前述したようにはっきりと膵炎であるとわかるものが少なく、発見が遅れてしまうことが多いので、体調の変化を感じたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

腸炎や胆管炎と関連していると言われていますが、依然として明らかな発生要因がわかっていないため、病気そのものを予防する有効な方法は特にありません。

   

治療は対症療法としての点滴、投薬、痛み止め、そして栄養支持療法が行われます。猫の痛みを判定するのは難しいですが、人や犬と同様に膵炎による痛みがあると考えられているので、可能な限り痛み止めを用いて治療をしていきます。また、特に栄養療法は重要で、栄養チューブを鼻や食道から通して腸へ直接栄養を補給するチューブフィーディングが行われることも多いです。他の病気を併発している場合はそれらの病気の治療も行います。一度治療を終えた後も、再発することが多いということも知られています。

   

特別な予防法もなく、適切な処置が遅れると命の危険を伴う疾患ですので、様子がおかしいと思ったときに限らず、普段から定期的に健康診断を受けると良いでしょう。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 元気がない
  • 食欲が無くなる
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 脱水症状
  • 腹部を触るのを嫌がる(腹部痛)

かかりやすい猫の種類

特に猫種、年齢、雌雄の差は知られていません。

顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部

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