犬のジステンパーについて

犬のジステンパーについて

2022/9/16
顧問獣医師、編集担当
ペットライフ編集部
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不調を抱えた犬の症状・原因について

Two cute Siberian Husky puppies sleep together on pillow under blanket at home. Top view.

子犬の命を脅かす怖い病気

ジステンパーは、ジステンパーウィルスによる感染症で、伝染率・致死率が共に高く、子犬の命を脅かすとても怖い病気です。

   

【主な症状】
潜伏期間は4日程度で、その後、「発熱」「元気食欲の低下」「くしゃみ・鼻水」など風邪のような呼吸器症状が見られるほか、「嘔吐」「下痢」「血便」など消化器症状が見られます。加えて、細菌の感染による「肺炎」を起こしてしまうこともあります。また、さらに進行すると、脳脊髄にもウィルスが広がり、「脳脊髄炎」を引き起こし、「ケイレン」や「運動失調」が見られます。このような脳脊髄の異常を示す症状は、呼吸器症状や消化器症状が良くなったしばらく後に見られる場合もあります。その他には、「皮膚炎」や「網膜の異常」「パットの硬化(ハードパット)」が見られることがあります。歯にエナメル質形成不全という後遺症が見られることがあります。

   

【主な原因】
感染は、感染している犬の目やにや鼻水、便、尿などとの接触や咳やくしゃみによって散らばったウィルスを吸い込むことによります。免疫力の弱い子犬やワクチンを接種していない犬への感染が心配な病気ですが、老犬や病気で体力の弱った犬への感染の危険性もあります。

   
治療は、ジステンパーウィルス自体に対する治療薬はありませんので、抗菌剤の投与や点滴など対症療法が主体です。

   

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ワクチンが大切

感染している犬の目やにや鼻水、便、尿などとの接触や咳やくしゃみによって散らばったウィルスを吸い込むことによって感染してしまいますので、感染してしまった犬は隔離して、他の犬が接触しないように注意が必要です。病原体のウィルスには、一般的な消毒薬が有効です。

   
なお、母犬からの免疫力が生後3ヶ月程度の子犬への感染が最も心配ですが、ワクチン未接種あるいは免疫力の低下した成犬や老犬でも感染の危険はあります。子犬や他の犬と接する機会が多い犬は、ワクチン接種をしっかりしておきましょう。

犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 発熱
  • 元気食欲の低下
  • くしゃみ・鼻水
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 血便
  • ケイレン
  • 運動失調
  • 皮膚炎
  • 網膜の異常
  • パットの硬化(ハードパット)

かかりやすい犬の種類

  • 特にかかりやすい犬種はありませんが、子犬やワクチン未接種あるいは免疫力の低下した成犬や老犬への感染に注意する必要があります。
顧問獣医師、編集担当
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