犬のフィラリア症(犬糸状虫症)とは

犬のフィラリア症(犬糸状虫症)とは

2022/9/16
獣医師
【監修医】豊田 昌太郎
獣医師

不調を抱えた犬の症状・原因について

Asian tiger mosquito or Aedes albopictus at Mahabaleshwar in Maharashtra, India

蚊が媒介する寄生虫の病気

フィラリア症は寄生虫症の一種で、蚊が媒介する事で発症する大変危険な病気です。蚊の吸血により体内に寄生虫が入り込み、心臓にまで巣くいます。突発的に死亡するケースもありますし、慢性化により心臓病を引き起こして死に至る事もあります。

【主な症状】
症状は、心臓に巣くいますので、心臓や肺の機能に変化が起きます。初期段階だと、軽度の咳くらいですが、症状が進行するにつれ、著しい倦怠感を見せたり、体重減少、呼吸不全、心不全などの症状があらわれます。

【主な原因】
原因は、フィラリアの幼虫を持った蚊に刺されることによる感染です。

犬のためにあなたができること

Veterinary surgeon and corgi dog at vet clinic.

フィラリア予防で完全に予防できる病気

フィラリア症は大変危険な病気ですが、投薬による駆虫で完全に予防出来ますので、その点は安心して良いでしょう。獣医さんの指示に従い、定期的に病院を受診して、予防に努めましょう。
春頃になるとよくペットのフィラリア予防を動物病院の方からすすめられるかと思います。軽視せず、フィラリアに対して正しい知識をつけ、受けておく事をおすすめします。
室内で飼っている犬でも、感染源が蚊であるだけに発症する事はあります。いくら注意していても蚊に刺されるのを完全に予防するのはむずかしいでしょう。 検査方法ですが、聴診とレントゲン検査がメインとなります。聴診で心臓の異音を拾い、レントゲン検査で更に詳しい情報を集め診断していきます。検査キットや超音波検査でも検査を行ないます。
治療方法は、予防策と同じく、投薬による体内に寄生している寄生虫の駆除です。一度の投薬で完全に駆除出来るわけではないので、定期的に投与して様子をみる必要があります。
場合によっては外科的な手術により、寄生虫を取り除く事もあります。
手術や麻酔には大変な体力が必要となります。そのため、ある程度初期段階か症状が軽いうちでないと、犬が手術自体に耐えられない可能性も出て来ますので、しっかりと健康状態をみながら、獣医と相談して決めて行きましょう。
特に、下記の犬とその混血犬種に関しては、フィラリア予防薬に対して抵抗力が弱く、薬の量を調節する必要が出て来ます。詳しくは獣医に判断をお任せしましょう。

  • コリー
  • シェットランドシープドッグ
  • オーストラリアンシェパード
  • ジャーマンシェパード
  • オールドイングリッシュシープドッグ
  • ロングヘアードウィペット

犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 著しい倦怠感
  • 体重減少
  • 呼吸不全
  • 心不全
  • 血尿
  • 咳は症状が進行するにつれ、重くなっていきます。

かかりやすい犬の種類

  • 特にかかりやすい犬種というのはありませんが、室内で飼われている犬よりも、外で飼われている方が5倍前後感染しやすいとされています。
獣医師
【監修医】豊田 昌太郎

けいこくの森動物病院/東京都 世田谷区 等々力1-34-18
◇所属学会:獣医麻酔外科学会、獣医アトピーアレルギー免疫学会、日本小動物歯科研究会、免疫学会、ASC登録医(皮膚) ◇所属獣医師会:東京都獣医師会世田谷支部

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