犬の角膜裂傷について
不調を抱えた犬の症状・原因について
傷の程度で2種類に分かれる
角膜とは目の組織の一部であり、黒目を覆う膜のことです。角膜裂傷とは、角膜が破れて損傷してしまう病気です。
傷が大きい場合は眼球を取り出す手術を行なわなければならない場合もありますので、異変を感じたらすぐに動物病院を受診し、適切な処置を受けましょう。
角膜裂傷は、穿孔型・非穿孔型の2種類に分類され、傷の程度によりどちらの型か診断されます。前者は傷により角膜が突き破られている状態を指し、後者は傷により角膜が突き破られていない状態を指します。
【主な症状】
症状は、状態によって異なります。 軽度の場合だと、角膜炎とほとんど同じ症状(眼球の痛み・異物感を感じるなど)が現れます。
中度へ進行すると、手術しなければ改善できない場合が多くなります。眼球の痛み・強い混濁が生じ、感染を起こしやすい状態となります。
末期症状や重度になると、角膜が破れてしまい、視力消失する可能性が高くなります。さらにひどい場合には外に内容物が出てしまい、眼球摘出が必要となります。
【主な原因】
原因は2つに分けられます。
1つは、外界から角膜への過度な圧力。もう1つは内側からの圧迫です。
前者の場合、喧嘩などで猫の爪が当たったり、犬が自分の前足で眼球を強くこすりすぎてしまったりなどの原因が考えられます。
後者の場合、頭部を中心とした部位に強い衝撃を受けてしまったことが原因で、結果的に角膜の損傷へつながってしまうことが多いです。
犬のためにあなたができること
少しでも犬の目に異変を感じたら動物病院の診察を!
検査方法は、眼球にライトを当て、拡大して損傷具合を確認します。
治療方法は
- 対処療法
- 眼球摘出
- 角膜縫合
の3つがあります。
軽症例は基本、症状が悪化しないように対処療法が行なわれます。
具体的には点眼薬を用いた抗生物質の投与・殺菌、悪化を予防するための運動制限、医療用コンタクトレンズの装着などがあります。
かなり傷が深い場合は、角膜縫合または眼球摘出を行ないます。
縫合で改善できる程度の傷であれば角膜縫合や角膜移植、ダメージが深刻で眼球の外に内容物が出ている状態であれば眼球摘出を行ないます。
犬にこんな症状・しぐさが出たら注意!
- 角膜炎のような症状(視力低下・眼球の痛み・異物感を感じるなど)が現れる
- 眼球の表面に異物が付着している
かかりやすい犬の種類
- 好発犬種は特にありません。
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