喘息と東洋医学【獣医師解説】
人間にとって身近な病気である「喘息」。動物においては猫に多く確認され、発症後の治療は長期にわたるケースも多いとか。
「いのちのために。」6回目は、喘息と東洋医学について、とよなが動物病院の豊永 眞弥先生にご執筆いただきました。
動物の喘息とは
人の喘息同様、病態生理は十分に解明されておらず、何らかの原因で気道炎症、平滑筋収縮、粘膜上皮の浮腫、粘液腺肥大および過敏症によって気道閉塞が起こり、発作性の咳や呼吸困難、運動不耐性などの様々な臨床徴候を示します。また人以外で自然発症する動物としては猫が挙げられます。
主な治療と身体への影響
様々な検査の中でもアレルギー検査は有効とされ、ステロイド剤や気管支拡張剤等が主な治療として使用されています。
慢性的な咳や不安定な呼吸状態をコントールするため、長期間のステロイドの投与を行うことが多いですが、それは抵抗力を弱らせ、東洋医学的に腎臓の精気が不足する病変となる「腎虚」と言う状態になります。
また慢性的に痰があり音がする咳(咳嗽)は、肺に影響します。この状態は「肺気虚」といわれ、同時に排便リズム、消化吸収にも影響を及ぼし「脾気虚」という状態を併発することもあり、特に便秘を伴うケースがおおくみられます。
東洋医学でできること
アレルギー検査により、過敏になっている物質を検出し除去すると共に、漢方薬や鍼灸治療を併用することで免疫力を高め排泄リズムを整えることにより、ステロイドの漸減をスムーズにし、症状の緩和につながります。
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