万が一のときのために、災害への備え
最近は、ときおりくる台風も大型化し、雨や風の被害も増えつつあるように感じます。先の東日本大震災や熊本地震といった大災害がいつ起こるかもわかりません。大きな災害はある日突然襲ってきます。被災しないことは祈るばかりですが、万が一に備えておくことも大切です。実際に被災した多くの方にお会いしてみると、被災前の準備によって、被災後の生活が大きく変わってしまうことも実感されています。
現在では、国をはじめ多くの自治体で『ペットと同伴の被災準備』に関する提案や指針が発表されていますし、少しづつですが受け入れに対する準備もはじまっていますので、基本的な被災のマニュアルはそちらにお任せして、ここでは公的なマニュアルに書いていない、被災地で経験したノウハウをもとに、気がつきにくい点を何点か書くことにします。
備蓄品は外に近いところに
まず、被災時の準備としてフードやペットシーツの備蓄やラジオ・懐中電灯の準備をされている方は多いのですが、これらの緊急持ち出しセットを寝室や枕元に置いているかた意外と多いのです。
いざ地震といった時、まずは愛犬と共に外に避難することが普通ですが、緊急時に持ち出す物を選んでいる余裕はありません。家が無事であれば、なんの問題もないのですが、万が一、家が崩壊などをしてしまった場合、寝室まで戻って備蓄したものを探しだすのは、大変です。
そんなことを想定し、貴重品以外の用意した備蓄品や緊急時に使う物は、なるべく外に近いところに置いておきたいものです。置き場所は玄関脇やカーポートなどで、雨があたっても大丈夫なコンテナボックスのような箱に入れて置いておくことをお勧めします。
現在の被災者への救援体制では、通常3日から1週間以内には、支援物資は届くと思われますので、備蓄する品物もそのぐらいの期間を耐えられれば良い数量と思われます。ただし、フードなどで特殊な商品を常用している場合には、支援物資として届かないケースも考えられますので、多めの備蓄が必要になるでしょう。
大きさ、毛色が分かる写真を
次に、万が一、パニックになった愛犬と離ればなれになった時の捜索方法です。保健所や警察に届けるのはもちろんですが、コンビニやガソリンスタンドなどに張り紙をお願いするのも意外と効果があります。当然、この時には写真も貼った方がいいのですが、その写真についても一工夫必要です。飼い主さんから見ると愛犬の一番可愛い顔のアップした写真を使うケースが多いのですが、実は愛犬の顔だけでは見つかる率が割合低いのです。捜索する時に効果のある写真には2つの要素が必要です。
ひとつは愛犬の大きさが分かること。犬の写真だけでなく、大きさの決まっているペットボトルとかタバコの箱、自転車や自動車などが一緒に写っている写真が有効です。
また、毛色の中で特徴のある部分が写っている写真も効果があります。愛犬の顔を見て、即座に分かるのは一緒に暮らしていた飼い主さんとその家族だけで、一般の人から見るとせいぜい犬種程度しか判別がつかないのです。被災前から万が一の時のために捜索用の写真も撮影しておきたいものです。
他人が触っても大丈夫なようにしておく
最後に被災地の避難所にも獣医さんが巡回で来てくれたります。ただ、人出も少なく、施設も充実はしていないので、触られることを拒んだり、人に攻撃をしかける犬はどうしても後回しにされてしまいます。そこで、普段から他人が触っても大丈夫なようにしておく練習はした方がいいでしょう。臆病な子やシャイな子を特別、積極的な子に変える必要はありませんが、嫌々ながらも他人を噛んだり、大暴れをしないように我慢させることだけは教えておきたいものです。
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