
猫の肝性脳症について
不調を抱えた猫の症状・原因について

肝性脳症は二次的に出てくる症状
肝性脳症は、肝臓の機能不全が元で脳に影響がおよんで起こる二次的な疾患です。
アンモニアが体を直接回るようになる先天性な門脈シャントが原因の場合もありますが、多くの原因は肝硬変、肝不全などの肝臓の機能が正常に行われない状態によるものです。
肝臓の機能がきちんと働いていないと、血液中の成分のアンモニアや肝性脳症に関係している成分値が高くなってしまいます。
アンモニアは毒素になるので本来は排泄するものですが、肝機能に異常があると排出できず、血液中に増えたアンモニアなどが体の中で循環してやがて脳にも到達します。このアンモニアが原因で脳に様々な影響を及ぼし障害が起きるといわれています。
症状としては、食欲がなくなり吐いてしまう、痩せてくる、歩く時のふらつき、黄疸などがあります。子猫の場合は発育不全などを起こし、体重がなかなか増えなくなります。
症状が進んで状態が重くなってきた場合は、腹水などがたまるようになります。
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・突然、猫がけいれんやひきつけを起こしました。すぐに病院に行くべきでしょうか。
猫のためにあなたができること

一度機能を失った肝臓は機能を取り戻せない
発症すると治療などが難しい状況になります。また、肝性脳症かどうかを飼い主の方が判断するのは難しいため、少しでも気になる状態があった場合は動物病院で診てもらうようにしましょう。
診察では血液検査を行い、肝臓の機能を診断し、アンモニアの数値を調べます。肝性脳症になるとアンモニアの数値が高くなります。他にも肝臓の状態を調べるためにX線検査や超音波検査なども行います。
治療は、原因となる肝硬変や肝不全の元となっている疾患があった場合は、その疾患の治療から行います。
まず、体の中でアンモニア成分ができにくくなるように薬で調整し、食事による改善も同時に行います。すると、たんぱく質の量を減らすことによってアンモニアのできる量を減らすことができますので、低たんぱくの食事を与えるようにします。療養食を使う方法が多いので、動物病院の方から出してもらうようにすると良いでしょう。
肝臓は一度機能を失ったものは再び機能を取り戻すことはありません。これ以上肝臓の機能を悪化させないための治療を行います。
肝性脳症になって症状が重くなった場合、大抵は入院による治療が多くなります。腹水などもたまっている場合は抜くように処置します。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 食欲がない
- 吐いてしまう
- 歩く時にふらつく
- 発育が遅い
- お腹が出てくるようになってきた
かかりやすい猫の種類
特にかかりやすい品種はいませんが、以下の状況の猫はかかりやすいです。

- 肝炎を発症している猫

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