
子猫衰弱症候群について
不調を抱えた猫の症状・原因について

生まれてから数日で死亡してしまう状態
生まれたばかりの子猫を保護した後にすぐ亡くなってしまった、自分の家の愛猫が子猫を生んだ後にすぐに亡くなってしまったという経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
原因などは様々あるのですが、生まれて間もない数日の内に死亡してしまう状態を総称して子猫衰弱症候群と呼んでいます。
一定の症状はなく、猫によって違いがあります。
これまで特に問題がないように見えていた子猫が突然死亡してしまう例もあり、また、生まれつき元気がない状態で衰弱する子猫もいます。この病状になると、生まれてから数日で死亡してしまう可能性が高くなります。
原因はウィルスや寄生虫による感染症、水頭症や小脳など、さらには内臓の先天性の奇形、単純に食事を食べることができなかったなどが考えられます。
他にも出産時に時間がかかったことによる低酸素症、出産時のケガなどのトラブルが原因のこともあります。また、思うように成長せず体重が極端に少なかったり、低血糖などでも発症リスクが高まります。合わせて、母猫に疾患や感染症が有った場合も発症リスクが高くなります。
特に子猫は体温維持が上手く出来ない状態なので、母猫にくっついていないと体温が下がり、低体温になって衰弱し、最悪の場合死亡する恐れがあります。
<関連記事>
·猫の体温がいつもより低いです。病院に連れて行ったほうが良いでしょうか。
猫のためにあなたができること

突然容態が悪化する場合も
普段と比べて動きや仕草がおかしく衰弱している状態、くしゃみや鼻水など風邪のような症状、額がやけに広く丸い形をしている、明らかに成長が遅いという異変があった場合は、早めに動物病院へ連れて行きましょう。また、子猫は体温維持がうまく出来ないため低体温により死亡するリスクもあります。体温を維持するために必要に応じて温めてあげてください。上記でも述べましたが、子猫衰弱症候群は突然容態が悪化する場合もありますので、様子を見ている時間が逆に命取りになる場合があります。
検査は、疑いのある病気によって異なります。
ウィルス疾患の場合:血液検査や身体検査
寄生虫疾患の場合:便検査や身体検査
水頭症の場合:エコー、X線、CT、MRIで脳内の液体を調べる
低血糖の場合:血液検査などで血液の状態を調べる
治療も病気によって変わりますが、上記で挙げた病気の場合、ウィルス疾患では免疫力強化のため、インターフェロンの使用や抗生剤の投与、点滴などを施します。 寄生虫疾患では、駆虫薬により原因を駆除し、症状に応じての治療となります。
水頭症は脳圧を下げるための薬を投与し、低血糖は糖分補給・点滴などが施されます。
猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

- 他の子猫に比べて動きがおかしい
- 食欲がない
- 元気がない
- 体があまりに小さい
- 体温が低い
- 見た感じ他の猫に比べて頭の形が丸い
- 成長が遅い
かかりやすい猫の種類
- 母猫に疾患、感染症がある
- 捨てられていた
- 母猫の育児放棄があった
- 生まれた環境が劣悪

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