猫の縦隔型リンパ腫について

猫の胃(消化器)の腫瘍について

不調を抱えた猫の症状・原因について

白血病ウイルスによる胸水を伴うリンパ腫

縦隔型リンパ腫は、猫のリンパ腫の一種で、胸腔の胸腺や縦隔リンパ節に腫瘤が発生する病気です。この病気を患った場合、胸腔内に液体が溜まり「胸水」を発症します。
主に2~3歳の若齢の猫に多く見られる病気で、その原因の多くは猫白血病ウイルスの感染によるものです。縦隔型リンパ腫を患った猫のうち、半数以上は猫白血病ウイルス感染症を患っていると言われています。
リンパ腫の発症原因として猫の免疫力が低下していたり、発ガン性物質を摂取するなどの理由でもリンパ腫になることがあります。

胸水の症状として、呼吸速迫、咳や嘔吐、下痢のほか、体力と食欲の低下が見られ、体重が減少します。症状が進行すると呼吸困難やチアノーゼの症状が見られるようになります。また、胸が胸水に圧迫されるため胸がおさえられる姿勢は取らなくなり、飼い主に胸を触られるのを嫌がるようになります。
猫のリンパ腫の中でも発症例の多い病気でもあります。

猫のためにあなたができること

症状を見逃さず、できる限り早期の治療を

縦隔型リンパ腫に限らず、猫のリンパ腫は完治の難しい病気ですが早期発見、早期治療により寛解を期待できる病気です。あきらめずに治療する事が大事です。特に若齢の猫が発症しやすいのがこの縦隔型リンパ腫なので、若い猫を飼っている場合はリンパ腫の中でもこの病気に注意しなければなりません。
しかし、猫の咳は人間と異なり、嘔吐の症状にも似ていることと、猫の嘔吐は珍しいものではないので、初期症状を見逃してしまう飼い主は多いです。
ただ、呼吸器系の病気の中でも呼吸が苦しくなる病気なので、猫の仕草から推測することはできます。その他にも下痢やそれに伴う体重の減少と脱水症状に陥る可能性もあり、日頃から猫の体調管理を怠っていなければ発見の難しい病気ではありませんので、猫の異常を発見したら速やかに動物病院へ連れていくようにしましょう。
治療においては、まず胸腔内の液体を排出するため、治療機で吸引し、呼吸を安定させます。その後、リンパ腫の治療のために抗がん剤の投与や放射線治療による化学療法がとられます。
治療法によっては副作用が起こる可能性があるので、獣医師とよく相談した上で治療の方針を決定しましょう。
いずれにしても、猫白血病ウイルス感染症を患っている可能性が高いので、早期の治療が必要になります。また、猫白血病ウイルスは他の猫にも感染する恐れがあるので、複数の猫を飼育している場合は感染の恐れのある猫を隔離するか、かかっていない猫にワクチンを接種しましょう。

猫にこんな症状・しぐさが出たら注意!

  • 呼吸速迫
  • 食欲の低下
  • 体重の減少
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 元気がなくなる
  • 呼吸がつらそうで、横になりたがらない
  • 胸を触られるのを嫌がる
  • チアノーゼ
  • 呼吸困難

かかりやすい猫の種類

    特にかかりやすい品種はいませんが、以下の状況の猫はかかりやすいです。
  • 若齢の猫
  • 免疫力が落ちている猫
  • 屋外に放し飼いの猫
  • 猫白血病や猫エイズのワクチンを受けていない猫

監修医 井上 平太 先生

監修医 井上 平太 先生

井上動物病院

院長:井上 平太

住所:埼玉県 上尾市 小泉377-97
施設詳細はこちら