おいで

おいで

2022/9/10
ドッグライフカウンセラー
三浦 健太
ドッグライフカウンセラー

犬を飼い始めた誰もが最初に教えたいのが「おいで」です。呼んだらすぐに来る子はただかわいいだけでなく、事故や危険から身を避けることも出来ます。従って「おいで」はどうしても教えておきたい大切なしつけのひとつです。

名前を呼んだら嬉しそうに尾っぽをちぎれんばかりに振り、駆け寄ってくるくる愛犬の姿は、大きな魅力でもあります。

オヤツや音で呼ぶのはNG

おもちゃをくわえどこかをみつめる中型犬

映画やドラマでも子犬を呼び寄せるときに、手を叩いたり、オヤツを見せたりするポーズが多いようです。実際に愛犬に「おいで」を教える時にも、似たような仕草をする人もたくさんいます。

しかし、これらの方法は決して本当に「おいで」を教えるという意味では有効な方法ではありません。言葉を知らない子犬に教えるということは、飼い主さんに「おいで」という言葉をかけられたら、飼い主さんのそばに近寄る。その行動で最愛の飼い主さんが喜び、自分も愛される行為と理解させることにあります。

   

ダメな理由

ではなぜ、手を叩いて呼んだり、オヤツを見せて呼ぶ行為では不満なのでしょうか

その理由は、手を叩いたり音の出るおもちゃで呼ぶのは、音に対しての好奇心を刺激して、興味を持った犬がよってきたことを褒めているという行為なのです。正しく「おいで」という言葉の意味を教えてはいないのです。

従って、音でつって呼び寄せられていた犬は、成犬になってから飼い主さんが呼んでも、他に興味のある物や音がすれば、そちらによっていってしまいます。正しい「おいで」の意味は教えていないので、関心の強い物があればそちらに行ってしまいます。公園などで他の犬や猫など興味のある物を見かけると呼んでも来ないことが多くなります。オヤツなどの食べ物を見せて呼び寄せられていた犬も同様です。飼い主さんが呼んでも、手にオヤツを持ったとしても、他にもっと美味しそうな食べ物を見れば、そちらに行ってしまいます。

正しい教え方

笑顔で走ってくるトイプードル

好奇心や関心を引くものでつるのではなく、飼い主さんに呼ばれたらそばに近づいていくことで、飼い主さんが喜び、自分も褒めてもらえるということを正しく教える必要があります

「おいで」について飼い主さんと自分が喜びを共感できることと正しく言葉を覚えた犬は、他の動物や物音、興味や関心のある物があったとしても、また美味しい食べ物が落ちていたとしても、呼ばれればすぐに、しかも嬉しそうに駆け寄る愛犬に育ちます。

   

教え方は簡単です。手を叩いたり、おもちゃやオヤツは不要です。リードをつけた状態で、「おいで」と優しく声をかけたら、1秒でも早く引き寄せ、そしてよく褒めます。この繰り返しが、「おいで」とはどういう意味か、「おいで」と言われたらどうすればいいのか、そして「おいで」は飼い主さんが喜び、自分もたくさん褒められる素敵な言葉だと理解させることになります。

ドッグライフカウンセラー
三浦 健太

特定非営利活動法人ワンワンパーティクラブ 代表 ◇主な活動:「全国一斉!クリーン作戦」や「Dog’s Walk for Keep Clean 全国公園清掃活動(活動支援)」などの公益活動。「WANWANパーティ」「ドッグランフェスタ」「愛犬との暮らし方教室」他各種イベント開催による愛犬家へのマナー啓発活動。

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