てんかんと東洋医学【獣医師解説】
突然の発作や痙攣に悩まされる病気“てんかん”。犬の神経疾患の中では最も多いと言われています。
「いのちのために。」9回目は、てんかんと東洋医学について、とよなが動物病院の豊永 眞弥先生にご執筆いただきました。
動物のてんかんとは
大脳の神経細胞の過剰な放電に由来する反復性の発作(癲癇発作)を主徴とする疾患で、犬では神経疾患の中で最も頻度が高く、猫では犬の約半分の発生率であるとされています。
疾患の原因は脳の損傷や神経の異常とみられていますが、多種多様な誘因があるとされ、麻酔下での検査でも根本的な原因を特定するのは難しいと言われています。
脳の病気に伴っててんかん発作が二次的に生じる「症候性てんかん」と、脳に何ら病気は見つからないがてんかん発作を繰り返す「特発性てんかん」とがあります。非常に様々な発作症状があり、代表的なものは体がつっぱる強直発作と体をガクガクさせる間代発作です。
東洋医学でできること
東洋医学でいうと、癲は頭のことで癇は発作性の意識障害を指し、癲証または癇証といいます。発作的に神志(精神、意識、思索活動を支配するという働き)に異常を来たす疾患です。
多くの場合、何らかの原因によって「腎虚」(腎の精気が不足する病変)や「肝風内動」(肝のシステム異常が起こって風が体内で生じ、身体を大きく揺り動かしている状態)を引き起こし、風痰が上逆することによって発症すると考えられています。
特に特発性てんかんは、抗てんかん薬によって回数や発作の症状を軽くする治療が中心となりますが、薬量の調節が難しくてんかんのコントロールがしにくい場合に、漢方薬や鍼灸治療を併用するとスムーズに維持できる場合があります。
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